長谷川桜子の「アロマ」ガイド

不眠症にはこの精油類を

眠れない夜をすごす

心配ごとと責任とが重くのしかかりすぎる忙しい生活を送っている人は誰でも、眠れない夜をすごすことがあるものです。 私は、学生時代試験の準備に追われていたころや、しごとでの撮影、大事なイベントの前などにいつも、失敗しはしまいかと絶えず心配していたために、睡眠のパターンがひどく乱れてしまったことがありました。でも、ひとたびそのストレス状況がなくなると、ふたたびベッドに入り、眠りにつくことができました。

悪循環を断ち切る

いまでは、私は夜、ベッドで眠れずにいることはめったにありませんが、何かふかくあることを考えこんでしまうパターンができ、それが悪循環となっていきますと、この悪循環を断ち切るために何か実際的な手段をとる必要があると思います。私のかかえている問題が、自分を動転させた誰かにたいして否定的な考えをいだいていることだったり、何か決定されたことに自分が強く反対していて、どうにも気がおさまらないという場合だったりしたときには、私はペンと紙に手をのばして、腹蔵なく自分の考えを書くのです。

手紙を書いて発散

私に否定的な感じを非常に強くおこさせた人間にあてた手紙を書くこともあります。そしてその手紙のなかで、私はとても素直に自分の思っていることをのべ、手紙のうけとり人がそれを読んだときにどんな影響をうけるかを思いえがきます。

不快な感情を追いはらうマージョラム油

心の重荷になっていたことを吐きだして十分に満足したと感じたら、私は自分の電気式の精油バーナーにマージョラム油を少し注ぎ入れて、あまいハーブの香りを心のなかにただよわせながら、眠りに落ちるのです。このように、マージョラム油を使用した夜はいつでも、ふだんよりふかく眠ることに気がついています。

朝を迎えたら

朝を迎えたら、その手紙は破りすてます。私はそれを送る必要がありません。破壊的な考えを書いたというだけで十分なのです。こうして、私は自分から休息のときを奪っていた不快な感情を追いはらってしまいます。

慢性的な不眠症で悩んでいる人

慢性的な不眠症で悩んでいる人はたくさんいます。こうした人びとは、自分の体の自然のリズムがひどく乱れているので、眠るためのただ一つの方法は、毎晩睡眠剤を服用することだと考えています。

睡眠剤の代りに精油

睡眠剤の代りに精油類を使えば、翌朝「二日酔い」のような感じにならずに夜の眠りを楽しむことができるのです。ラベンダー油は非常に強力な鎮静剤で、これを夜の沐浴に用いれば、心身の緊張をときほぐし、安らかな夜の眠りを誘ってくれます。

休息とリラックスのための沐浴

ここちよく温かい浴湯に、ラベンダー油を5縲鰀6滴入れて下さい。体を洗ったり、こすったりしないで下さい。このおふろは体をきれいにするためというよりも、休息とリラックスのための沐浴です。こころよいと思うだけゆっくりとお湯につかって下さい。必要ならばお湯をつぎたします。

定年を迎える年齢でもバイタリティーに満ちあふれている

定年を迎える年齢の人間が私の親戚に何人かいますが、この人びとは夜、眠りを助けるものとして、自分たちの行っているラベンダー浴を盛んに人にすすめています。夜、ぐっすり眠れるので、この人びとは昼間、バイタリティーに満ちあふれています。

常識を働かせる

不眠症をなおすには、常識を働かせることも大切です。例えば、一日のうちでいちばんたっぷり食べる食事を夜ではなくお昼にとるようにするのも、とても有効です。また、コーヒーやチョコレートのような刺激性のあることで有名な食品類は避けることです。こういう食品類は、「さっと切りかえる」力が欠けている状態を、いっそう悪化させてしまいます。

ラベンダー油やマージョラム油の芳香は好きではないという人

自分は不眠症だが、ラベンダー油やマージョラム油の芳香は好きではないという人には、それらとはまったくちがったタイプの芳香をもつネロリ油がよいでしょう。ネロリ油の香りはとてもかるく、フローラルな芳香ですが、鎮静させる力は非常に強力で、これだけでも使用できますし、ラベンダー油かマージョラム油のどちらかと組み合わせて使うこともできます。これらの精油はどれも、沐浴に用いることができるほか、枕のへりにつけたり、芳香拡散器に入れたりして使用することもできます。

夜中に目がさめてしまうときには

日中のできごとや、何か特別な心配ごとが心に強くわだかまっていると、ほんのちょっとしたこと(庭でネコがけんかしたとか、車のドアがばたんと音を立てて締まったとかといったこと)で目がさめてしまい、もう眠れなくなってしまうことがあるものです。

眠りが訪れるまで

時計に目をやると午前三時です。おきるにははやすぎる時刻です。しかし、心のほうはもう真っ昼間のように騒ぎ立てています。私にもこんなことがときおりおこります。とりわけ、何もかもがふなれな(また、ときとして居ごこちがよくない)ホテルに泊まったときにこれがおこります。私は自分の心にうかんだ考えを書きとめ、ラベンダー油かマージョラム油をティッシュペーパーに少しつけて、眠りが訪れるまでその香りのある蒸気を吸いこんでいます。

30分間の芳香浴

いそがしい一日が終わって、自分のエネルギーがすっかり消耗してしまい、つきあいのために夜、外出して楽しむ気力がもうなくなってしまったように感じられることがときどきあります。自分がまるでバッテリーがあがってしまった車みたいに思われることも往々あります。電圧をあげる器具もありません。この車をスタートさせる方法はないのです。しかし、ときとしてその役に立つものとして、30分間の芳香浴があります。これは、あなたに必要なブースターになることができるのです。

精油類の組合せ

つぎにあげる精油類の組合せのどれでもけっこうですから、それを1縲鰀2滴使用すれば、夕方でかけていくあなたの活力をよみがえらせるのに有効です。その組合せは、ローズマリー油とローズウッド油、ローズマリー油とゼラニウム油、ローズウッド油とベルガモット油ですが、自分に効きめがあると思うそのほかどんな精油でもけっこうです。疲労困憊して気分が抑うつ症ぎみだったら、浴湯にクラリセージ油を1縲鰀2滴加えて下さい。また、その代りとして、1滴か2滴のクラリセージ油を少量の赤砂糖や蜂蜜湯に落として内用してもけっこうです。